横浜国立大学 小林研究室

環境安全科学研究室

研究プロジェクト等


文部科学省科学研究費補助金 基盤研究(B) 2021〜2023 代表
「粘性土中に浸潤した高濃度有機塩素化合物の局所加温・熱対流浄化と本質安全管理手法」

揮発性有機塩素化合物は、クリーニングや機械部品の脱脂洗浄などに大量に用いられたが、過去の漏洩や廃液投棄等による土壌汚染が多数顕在
化している。多くの事業所では汚染調査ができず、社会には数万箇所の高濃度汚染が潜在すると考えられる。放置期間が長いほど地下浸透して、
浄化困難な粘性土中に浸潤する。本研究では、液状有機塩素化合物の粘性土への浸潤の経時変化を測定・解析する。また、粘性土からの効率
的な浄化技術の開発のために、高温加熱等の粘性土中からの溶出促進効果を測定・解析する。更に実汚染現場への加温等浄化技術の適用を検
討するとともに、汚染が拡散せずリバウンドの問題もない本質安全な浄化終了判定手法を検討する。
【物理化学】【シミュレーション予測技術】

不動産流通経営協会研究助成  2020〜2021 代表
   「表層土壌汚染地近傍における「健康リスクの大きさ」に基づく対応の判断基準に関する研究」


鉛による表層土壌汚染地を対象に、基準値から基準の数倍程度までの低濃度汚染の場合と、早急に掘削除去を行わねばならない高濃度汚染の場合との判断基準について検討する。
(1)特に情報の不十分な土壌汚染粒子の飛散による吸入曝露に着目した汚染地調査
(2)多様な曝露経路を想定した健康リスク評価事例を作成するとともに、気象変動などの不確実性も想定した算出値の評価
(3)毒性情報についても詳細に確認し、土壌汚染のリスクの大きさを相対的に比較・判断できる判断基準について検討
【物理化学】【リスク評価技術】【シミュレーション予測技術】

環境省環境研究総合推進費 2017〜2019 代表 
「土壌・地下水中のクロロエチレン等の分解・吸脱着等挙動解析と汚染状況評価技術の開発」

新規規制物質であるクロロエチレンについて、分解生成、吸脱着や気化拡散などの土壌中挙動を明らかにして、現場の土壌調査や浄化対策に役立てる情報を得ます。室内実験だけでなく、シミュレーション計算、現場調査も実施しました。環境省とも連携しながら、土壌調査手法等への貢献を目指した研究プロジェクトです。産業技術総合研究所(張先生、保高先生)、東京農工大学(細見先生)との共同研究プロジェクトです。

【物理化学】【生物工学】【シミュレーション予測技術】
総合評価 :A

NEDO戦略的省エネルギー技術革新プログラム
「汚染地盤を掘らずに省エネ浄化できる加温式高速浄化システムの開発」
   2014〜2016「実用化開発」フェーズ、2017〜2019「実証開発」フェーズ、
   (代表:竹中工務店) 

地中を加温することにより、バイオレメディエーションによる浄化期間を半分に短縮するとともに、CO2排出などの環境負荷も大幅に低減する研究です。土壌浄化の効率化、省エネ化を目指した研究です。
研究開発代表は竹中工務店、岡山大学や(株)竹中土木との共同研究プロジェクトです。

【生物工学】【物理化学】【シミュレーション予測技術】

厚生労働科学研究費補助金 
「室内環境中の未規制物質の網羅的解析に関する研究」 2014〜2016 分担 
「室内環境中の化学物質リストに基づく優先取組物質の検索とリスク評価」 2017〜2019 分担 
   (代表 静岡県立大学 雨谷敬史 教授)

室内では多種多様な化学物質が使用されて私たちの生活を支えてくれています。ただし、屋外と比べて高濃度となりやすく、毒性が高い物質が用いられればその被害が懸念されます。この研究では、室内環境中の多様な未規制化学物質の網羅的な評価を行いました。当研究室では、多様な化学物質のリスク情報の収集とスクリーニング評価を担当しました。
【物理化学】【リスク評価技術】【シミュレーション予測技術】

文部科学省科学研究費補助金 基盤研究(B) 2014〜2016 代表
「不安視される気相経由での土壌汚染・曝露経路の実態調査と評価・管理手法の社会提案」

気相を経由して、土壌汚染が起こったり、土壌汚染地からの曝露をされたりすることがあり、市民の不安の対象にもなっていますが、現在は適切に評価・管理がなされていません。本研究では、新たな汚染経路や曝露経路の実態調査や評価・管理方法について研究しました。
【物理化学】【リスク評価技術】【シミュレーション予測技術】

文部科学省科学研究費補助金 挑戦的萌芽研究 2013〜2014 代表
「PRTR対象化学物質を例とした土壌汚染可能性と高懸念曝露経路の評価判断尺度の提案」

土壌汚染は他の環境汚染と異なり、規制前に汚染したものが何十年も残存するため、過去に遡って事業者がその責任を負うことが少なくないという特徴を持ちます。そのため、「土壌汚染の未然防止」と「化学物質リスクの自主管理」が重要です。本研究では、未規制物質を含む多様な化学物質による土壌汚染の可能性を評価し、管理する手法に関して研究しました。
【物理化学】【リスク評価技術】【シミュレーション予測技術】

文部科学省科学研究費補助金 基盤研究(B) 2011〜2013 代表
「高リスク大気中六価クロムの極微量分析技術の高度化・評価活用と発生源・発生機構解明」

有害大気汚染物質の優先取組物質として指定されているのに、分析法が無く、実態調査できなかった大気中の極低濃度の六価クロムの分析方法の高度化・効率化に取り組みました。汚染実態や主要発生源解明、リスク評価・排出削減のための研究です。
【微量分析技術】【リスク評価技術】

文部科学省科学技術振興調整費科学技術連携施策群の効果的・効率的な推進プログラム
   「事業者の化学物質リスク自主管理の情報基盤」 2007〜2009 分担 最終評価:S
   (代表 三宅淳巳 教授)
サブテーマ2 「短期・長期健康リスク情報の整理とその効率的活用」 サブテーマリーダー

化学物質のライフサイクルに航多様なリスク評価手法の開発が国際的に求められています。各省庁とも連携して、リスク評価のための情報・ツールを集積し、新たなリスク評価の手法を検討しました。
【リスク評価技術】【情報解析技術】【シミュレーション技術】


環境省環境研究・技術開発推進費 2010〜2012 分担 最終評価:A
「HBCDを例とする製品中化学物質のライフサイクル評価と代替比較に基づくリスク低減手法」
   (代表 益永茂樹 教授)
 

広く社会で使用されているHBCD等を対象にリスク評価や代替製品の検討手法等の検討を行いました。当研究室では、環境中動態予測シミュレーションソフトによる環境中濃度予測と精度検証、主要曝露シナリオのスクリーニングする手法についての研究しました。
【リスク評価技術】【シミュレーション予測技術】

文部科学省科学研究費補助金 基盤研究(A) 2013〜2015 分担
「製品のリサイクルと廃棄ステージにおける有害化学物質の挙動と環境影響評価」
(代表 益永茂樹 教授)

2012年度まで推進した環境研究総合推進費の研究成果を活用・発展させた研究です。広く社会で使用されているHBCD等を対象に、廃棄ステージに着目して有害化学物質のリスク評価研究を行います。当研究室では、化学物質のリスク情報収集と曝露評価に関しての研究に携わりました。
【リスク評価技術】【シミュレーション予測技術】

クリタ水・環境科学振興財団研究助成 2011〜2012 代表
「1,4-ジオキサンの土壌中挙動特性の調査・実測・解析と土壌中挙動の評価」

新たに地下水の環境基準が設定され、土壌の汚染も懸念されています。1,4-ジオキサンは、水にも油にも溶けやすいなど、これまでの汚染物質と特性が大きく異なります。この研究では、土壌中での挙動について明らかにし、土壌汚染の可能性や浄化のための知見を得ました。研究成果は、土壌環境基準設定の際の参考にもされました。
【物理化学】【化学工学】【リスク評価技術】

環境省環境研究総合推進費 2009〜2011 分担(サブテーマ代表) 最終評価:A
「土壌無機汚染物質の迅速・低コスト分析システムの開発」
(代表 浦野紘平 特任教授)

全国に多数潜在している土壌汚染の対策を進める上で煩雑な公定分析法が障害となっています。本研究では、汚染物質の効率的(迅速・安価)な分析手法を開発する研究を行いました。当研究室では、土壌汚染物質の土壌からの効率的な抽出と、分析時のばらつき低減のために土壌汚染物質の吸着・脱着メカニズムを解明するとともに、物理化学的・化学工学的に、最適な分析プロセスについて検討しました。
【分析技術】【物理化学】【化学工学】

(財)鉄鋼業環境保全技術開発基金 2008〜2011 代表 
「大気SPM・PM2.5中六価クロムの発生源・大気中挙動調査とリスク評価」

有害大気汚染物質の優先取組物質として指定されているのに、分析方法が無く、実態調査ができなかった大気中の極低濃度の六価クロムの分析方法を開発しました。汚染実態や主要な発生源解明のための研究を推進し、大気の大幅なリスク削減のための研究を進めました。
【微量分析技術】【リスク評価技術】